2022年の相場見通し

謹賀新年

2022年のグローバル投資戦略とポートフォリオ

当社投資情報室より、2022年のマーケットついてご案内いたします。 新年のお取引に是非お役立てください。

  • チーフストラテジスト 河合達憲
  • マーケットアナリスト 山田勉
  • ファンドアナリスト 川上雅人
  • 投資アナリスト 藤井明代

2022年の相場見通し特集動画

ファンドアナリスト川上雅人

川上雅人

auカブコム証券 ファンドアナリスト
中堅証券会社で日本株アナリストとして2年半経験。投資信託運用会社に18年在籍し、主に投資信託のマーケティング業務に従事。2019年11月、カブドットコム証券(auカブコム証券)に入社。ファンドアナリストとして投資信託などの情報提供とマーケット解説を担当。
YouTube、ファンドスクエア(投資信託コミュニティサイト)、ラジオ、レポートなどで自身の資産運用経験を踏まえた投資アイデアを提供。au PAY アプリ「ポイント投資」のファンド選定を担当。ラジオNIKKEI「こちカブ」毎週木曜レギュラー。趣味は野球観戦とランニング。

資産形成には欠かせない投資信託!公式YouTubeで自身のポートフォリオ、注目ファンドなどを配信中。
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ファンドアナリストのポートフォリオは?

2022年のグローバル投資戦略を考える前に、2021年について私のポートフォリオを含めて振り返ってみたい。
私はYouTubeでポートフォリオ(ファンドの組み合わせ)を公開している。つみたてNISA口座、確定拠出年金口座、特定口座の3種類である。
つみたてNISAは積立スケジュールを決めたら持ち切りなので、基本は年1回の積立プランの見直しだけである。2021年から始めたばかりなので実績は短い。
確定拠出年金については、3ヵ月に1回程度、ポートフォリオの見直しを行っている。今年の初めは、パフォーマンスの良かった世界の成長株ファンドを7割持つという歪なポートフォリオを組んでいたが、2021年は成長株から割安株(不動産(リート)を含む)まで幅広くバランスを考えて投資することが大事と考え、3月頃から徐々に変更し、今は世界株4割、日本株2割、リート2割(日本と先進国)、バランス1割などとなっている。運用期間は15年以上になる。
特定口座については、日本株2割、世界株と米国株で4割、新興国株2割、リート1割などといったポートフォリオになっている。これらの投資比率はこの1年で多少上下があったものの、そのカテゴリーの中で比較的少額ずつファンドを分散して購入し、マーケットと運用成績をチェックしてファンドを機動的に組み替える戦略を取っている。特定口座での運用期間は長いが、まとまった資金でファンドの運用をはじめたのはここ2年である。

このように運用してきた私のポートフォリオであるが、2021年に関しては全ての口座において、11月中旬に損益のピークをつけたものの、それ以降はオミクロンショックなどで評価益が縮小しているという状況である。

私の投資信託トータルリターン(特定口座+つみたてNISA口座の月末値 11月迄)私の投資信託トータルリターン(特定口座+つみたてNISA口座の月末値 11月迄)(出所)auカブコム証券「ファンドスクエア」

2022年を見通す上で足元の株式市場は?

2021年11月中旬からトータルリターンが伸び悩んでいる理由を株価指数からチェックしたい。次のグラフが2021年における主要国の株価指数の値動きである。
また、ナスダック総合指数が今年の高値をつけた11月19日から12月21日までの1ヵ月と年初来で主な株価指数の騰落率を確認すると以下となっている。

主要国の株価指数

1ヵ月* 年初来*
インドSENSEX ▲5.6% +17.9%
ナスダック総合 ▲4.5% +19.0%
ドイツDAX ▲4.4% +12.6%
日経平均 ▲4.1% +3.9%
TOPIX ▲3.7% +9.2%
S&P500 ▲1.0% +23.8%
中国CSI300 +0.5% ▲5.7%

*12/21迄、1ヵ月は11/19~12/21(出所)QUICKデータを基にauカブコム証券作成

毎年11月からのマーケットのトレンドは、年明け以降も継続する場合が多いといえる。
去年はナスダックがこの時期に絶好調で、その勢いが2021年も後半までは続いた。しかし、2021年はこの時期ナスダックが低迷しているので、2022年は他の株価指数と比較してナスダックが相対的に伸び悩む展開を想定したい。
ナスダック調整の理由は、長期金利上昇によるPER(株価収益率)の調整が考えられる。PERの調整は足元低迷しているインド株でも起こっていると思われる。
ナスダックが伸び悩む展開は、2021年後半からもそうであったが、相対的にアクティブファンドよりもインデックスファンドが優位になると考えている。

為替と金利の見通し 2022年の投資戦略

次は、前回の利上げ局面である2015年からの米ドル円と米国金利を見たものである。

米ドル円レート、米国10年国債と政策金利(出所)QUICKデータを基にauカブコム証券作成

前回の利上げ局面(2015年12月~)では、米国政策金利の上昇とともに10年国債利回り(長期金利)はほぼ連動して上昇した。一方で、ドル円レートは利上げを先に織り込んで上昇していたため、利上げ開始とともに米ドルが下落していることが分かる。
今回、米ドルは上昇しているものの、2015年ほどの水準ではないため、利上げによって米ドルが失速するリスクは少ないと考えている。ただし、2021年は円全面安によって海外投資のパフォーマンスが底上げされたが、2022年の米ドルは上値の重い展開を想定している。115円の壁が意識される展開が続くのではないかとみている。
一方で、米国長期金利は水準が低く、利上げ開始とともに緩やかに上昇していくと考えている。長期金利の行方は、今後の利上げペース次第といえるが、金利先高観が意識される局面では、成長株の割合が高いナスダックが調整するリスクを頭に入れておきたい。

2022年はナスダック(米国成長株)をどう評価するかがポイントとなると考える。
ナスダックの調整は杞憂に終わるかもしれないが、私は米国成長株ファンドを保有するものの、2021年以上に分散投資を意識したポートフォリオを組みたい。
世界株・米国株はバランスを考え、高配当株ファンドやインデックスファンドにシフト、2021年は一部の国を除いて不振だった新興国株の見直し(特に中国株)、相対的に割安感のある日本株と欧州株の巻き返しも想定したポートフォリオで臨みたい。
2022年は2021年以上に変動大きいマーケットになると思われるため、小まめな情報のアップデートと、長期投資の王道ともいえる押し目買いを実践したい。
グローバル投資戦略の情報アップデートは、YouTubeでご確認いただければ幸いです。

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