アメリカの大統領選挙は4年に1度、オリンピックの年に約1年かけて行われる、アメリカ最大のイベントです。有権者は、直接大統領候補に投票するのではなく、自分が支持する大統領候補に投票すると事前に誓約した選挙人に投票する、という間接選挙方式が取られています。
大統領選は、大きく分けて、民主・共和両党の候補者を1人に絞る「予備選挙」と、両党の候補者から大統領を選ぶ「本選挙(一般選挙)」とがあります。1月から7月まで、共和党では全米50州で「予備選」または「党員集会」が行われます。(党員集会になるのか、予備選になるのかは州によって異なります)。
この党員集会と予備選挙が、長期間にわたる大統領選挙の始まりとります。この予備選・党員集会では、各州の有権者が、自分が選びたい候補者を支持している「代議員」に投票します。たとえば、トランプ候補に投票したい人は、トランプ氏を支持している代議員に投票するということです。代議員は州によって人数が異なり、人口に比例して分配されています。この結果、各候補が得票に応じた代議員の人数を獲得し、この獲得人数が多い方が優位に立ちます。
そして共和党、民主党それぞれが行う「全国党大会」で全国の代議員が集合し、党公認の大統領候補が指名、いよいよ「本選挙」の選挙戦に突入します。本選挙は共和党候補と民主党候補の一騎討ちとなり、約2カ月間の選挙戦に入ります。選挙人は、予備選の時の代議員と同じように、どちらの候補を支持しているか表明しているので、有権者は、どちらかの党のグループに投票し、間接的に大統領を選ぶことになります。
そして開票となりますが、その州で1票差であっても最多得票となった政党が、その州全体の選挙人の人数すべてを獲得できます(「勝者独占方式(Winner-Take-All) 」と呼ばれています)。このような形で、各州の勝者と獲得した選挙人の数が決まります。選挙人は全米で538人存在いますで、その過半数の270人以上を獲得した候補者が、(実質的に)大統領となります。
その後、形式だけですが(11月の一般選挙で結果はわかっているため)、選ばれた選挙人が集まって12月に投票し、開票は来年1月に行われ、同年1月20日に正式に新大統領が就任します。