第22回 レシオケータ
「出遅れた銘柄を探せ」と投資家はよく口にします。「出遅れ」とはいったい何をもって出遅れと言うのでしょうか。ファンダメンタル分析のひとつにPER(株価収益率)という考え方があります。PERを用いて出遅れ銘柄を探すことも可能でしょう。しかし、株価のみを使って出遅れを探すことは出来ないでしょうか。そのヒントになるのがレシオケータです。
日経平均株価、すなわち、株価指標と個別銘柄の価格を比較します。例えば、日経平均株価が10%上昇したとします。その時にA社株は20%の上昇、同じ業種のB社株は3%の上昇だったとしましょう。B社に業績等の特段の問題がなければ、再び日経平均株価が上昇し始めるのであれば、次のB社の値上がり率は日経平均株価の上昇率を上回る可能性があり、A社は次に日経平均株価より上昇しないかもしれない、と考えることも出来るのです。つまり、株価指標である日経平均株価と個別銘柄の上昇率を比較することによって出遅れ等を見つけることが可能となってくるのです。
このように、個別の銘柄をその銘柄のみで捉えるのではなく、マーケット全体と比較することによって、その銘柄が相対的にどのような値動きをしているかを知ることが出来ます。レシオケータが常に上向きであれば人気銘柄、レシオケータが下向きや横ばいで停滞していれば出遅れ銘柄としてそれぞれ捉えることが出来ます。また、一般的なチャートの読み方としては、レシオケータの向きが反転した時が売買のポイントになります。ただし、レシオケータは単に日経平均との比較なので、レシオケータの向きの反転のみでの売買はダマシも多くなります。他のテクニカル分析と併用して用いる方が良いでしょう。
作成方法
レシオケータの数値を求める際には、基準日が必要となります。基準日の日経平均株価と株価に比べて、当日の日経平均株価と株価がどのように変化しているかを調べます。詳しくは、以下の式になります。(以下の式では、N日前が基準日になっています)
A=株価(当日)÷日経平均株価(当日)
B=株価(N日) ÷日経平均株価(N日)
期間(基準日-当日)25日
下段のグラフがレシオケータです。真ん中の横線が100%のラインです。つまり、レシオケータが100%の線より上にあれば、日経平均株価よりも良いパフォーマンスであり、100%より下にあれば日経平均株価よりも低いパフォーマンスになっているということです。
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