投資情報室

旬なテーマを深堀り♪中小型株対象の新指数算出開始へ、候補銘柄をチェック!

2017年3月9日(木)
投資情報室 藤井明代

 足元のマーケットでは目新しい材料に乏しい中、中小型株に投資資金が向かっています。新興市場のJQ平均は3月9日時点で20日続伸となり、連日で約13年ぶりの記録を更新、株価水準も約25年ぶりの高値を回復しています。また規模別指数の小型株指数も同様に約25年ぶりの水準を回復し、東証2部指数は連日で最高値を更新する強い動きをみせています。
  下記チャートに示すように、米大統領選が行われた昨年11月9日以降から年末までは日経平均の高パフォーマンスが顕著でしたが、今年に入り潮目が変わっています。年初から日経平均がもみ合いレンジ内で推移している他方、マザーズや2部指数は日経平均を大きく上回る推移が続いています。またJQ平均も緩やかな上昇を続け、足元の連騰で日経平均を超えるパフォーマンスとなっています。

【日経平均とその他指数の比較チャート】

日経平均とその他指数の比較チャート

  • 2016年11月9日を100とした相対チャート
  • 2017年3月8日までの終値データ、Astra Managerを基にカブドットコム証券作成

 中小型株に関心が集まる中、3月13日からは中小型株を対象とした新たな指数「JPX日経中小型株指数」が算出されます。この新指数は日本経済新聞社と東京証券取引所が共同で開発し算出するもので、時価総額や出来高に加えて、過去3期の平均ROE・累計営業利益などの定量的側面、社外取締役・IFRSなどの定性的側面から銘柄を選出します。構成銘柄数は200銘柄となり、昨年12月には候補銘柄が公表されています。
 これまで中小型株を対象として資本の効率性や財務状況の観点で銘柄選定を行う指標は一般的でなかったことから、個人投資家の銘柄選定に役立つ指数となりそうです。
 今回は候補となる200銘柄の中から、時価総額上位50銘柄をピックアップ。選定基準に営業利益が加味されていることから、今期の予想営業利益伸び率も併せてご紹介していきます。

【中小型株指数候補銘柄(時価総額上位50銘柄)】

中小型株指数候補銘柄(時価総額上位50銘柄)

  • 候補銘柄は2016年12月14日の日経データ
  • 2017年3月8日終値データ、連結優先ベース
  • Astra Manager、東証、日経プロフィルなどを基にカブドットコム証券作成

 新指数の候補200銘柄のうち、今期予想営業利益伸び率が最も高い銘柄はプリマハム(2281)で84.6%でした。次いでニチハ(7943)が53.3%、不二越(6474)が43.6%、日信工業(7230)が40.18%となり高い予想伸び率となっています。3月9日現在では、4銘柄とも5日・25日の短期移動平均線、そして200日の長期移動平均線を上回る推移を続けており、堅調な株価を辿っています。また、不二越や日信工業はJPX日経インデックス400とも重複採用されていることから、投資家の関心も高まりそうです。
  しかし冒頭で述べたように、足元では中小型株に資金の流入が続いていることから、やや過熱感も意識されるタイミングでもあります。新指数算出後のETFや投資信託組成による需給面のインパクトがどれほど好影響を与えるのか、採用銘柄の株価の動向に注目していきたいところです。



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藤井明代

藤井明代

auカブコム証券 投資情報室 投資アナリスト

東京都出身。大手ネット金融グループを経て、2013年10月よりauカブコム証券。
売買手法や相場解説などを初心者の方にも分かりやすく解説することに定評あり。株主優待にも詳しく、マルチスキルを持つメンバーとして人気上昇中。

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