前場、後場とは 時間を表す用語を開設

株式投資では特有の用語が使われることが多くあります。
その中で今回は、時間を表す用語について解説します。

国内の現物株式の取引は午前と午後にわかれていて、午前中の取引時間を「前場(ぜんば)」、午後の取引時間を「後場(ごば)」と呼びます。

前場、後場それぞれの時間帯で、最初に成立した取引を「寄付(よりつき)」、最後に成立した取引を「引け(ひけ)」と呼びます。
その日の最後に成立した取引は「大引」です。

<図 東京証券取引所 国内株式の取引時間>

東京証券取引所 国内株式の取引時間

例えば、ニュースなどで「今日の日経平均株価は寄付こそ安く始まったものの、その後は切り返し、大引では前日終値を300円上回った」といった報道があったとします。
このとき時間を表す用語を知っていれば「今日の日経平均株価は開始こそ昨日の終値に比べ下がったけれど、最後は昨日の終値より300円プラスで取引を終了したんだな」とスムーズに内容を理解できるでしょう。

売買の時間を指定するときにも使われる

一般的な株式の売買では、注文の際に株価を指定せずに売買する「成行(なりゆき)」と、株価を指定して売買する「指値(さしね)」を選択できます。
そして、時間を表す特有の用語を使うことで売買のタイミングも指示することが可能です。

証券会社によって、使われ方は様々ですが、例えばauカブコム証券では、成行、指値でそれぞれ寄付、引け、前場、後場を指定することができます。

具体的にみてみましょう。

「翌日の始値が前日の終値より高くなるだろう」と予想される銘柄で利益を得ようと考えた場合、まず、今日の終値で買います。

買いの注文は、注文イメージ1のように
・成行
・引成(引けで成行注文)
・後場
と設定することで、終値で購入できます。

<注文イメージ1>

注文イメージ1

筆者が作成

買い注文が成立したら、翌日の始値で売るための注文を出します。
翌日の取引が開始される前に、注文イメージ2のように
・成行
・寄成(寄付で成行注文)
・前場
と売り注文を出せば、始値で売却が行われます。

<注文イメージ2>

注文イメージ2

当初の予想、「翌日の始値が前日の終値より高くなるだろう」が正しければ、この売買手続きにより利益を確保できるわけです。

このように、用語を知ることで投資情報を理解しやすくなり、投資方法の幅を広げることにもつながります。
ぜひ、覚えておきましょう。

中野敦成

執筆者:中野敦成

FP事務所LBプランニング 代表
大阪府堺市生まれ。理系大学卒業後、自動車会社などで設計支援業務に携わる。
1998年の株式売買手数料の自由化やネット証券の誕生をきっかけに株式投資を開始。株の売買のための情報種数をしている中でファイナンシャルプランナー資格に出会う。
投資の知識のためにとファイナンシャルプランナー資格を取得した際に、「お金のことを知っていると知らないでは世界がこんなに変わるのか!」と感銘を受け、資格取得後、FP事務所LBプランニングを開設。
現在は大阪市内の事務所で個人向けのFP相談業務を中心に資産運用や保険、ライフプランに関する執筆・セミナーなどを行っている。

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