配当と自社株買い~日米の株主還元の違いは~

2022年1月21日

配当と自社株買い~日米の株主還元の違いは~

米国株は、配当利回り(1株当たりの年間配当金÷株価)の高い、いわゆる高配当銘柄が多く存在しています。
また、上場企業が発行している株式を自らの資金を使って買い戻す自社株買いが活発に行われています。
なぜ米国株は高配当銘柄や自社株買い銘柄が多いのでしょうか。
ここではその理由をご説明します。

株主還元に積極的な米国企業

米国企業は純利益に占める配当と自社株買いの合計額の比率である「総還元性向」が高い傾向にあります。
日経新聞電子版では以下のように報道されております。

純利益に占める配当と自社株買いの合計額の比率である「総還元性向」は20年末に米企業全体で前年比33ポイント増の平均83%だった一方、日本企業は同6ポイント増の29%。

出所:日本経済新聞社 米株高を支える自社株買い、90兆円 過去最高迫る (2021年11月17日)

これはなぜかというと、米国の企業は日本企業に比べ、株主への利益還元を重視しているからです。

配当の魅力

株主への利益還元方法の一つが配当金です。
米国では、日本のように株主優待で還元している企業は少なく、配当金を積極的に出す傾向にあります。
また、日本の企業の場合、配当金の分配は年1回か2回が一般的ですが、米国企業は年4回(四半期ごと)支払うところが多く、減配や無配とならなければ定期的に配当金を受け取ることができます。
また、注目すべきは、米国には何年も増配を継続している企業が多数存在している点で、中には50年、60年と増配を続けている優良企業も存在することです。

自社株買いの魅力

株主への利益還元のもう一つの方法は自社株買いです。
米国企業の特徴として、自社株買いに積極的なことが挙げられます。
なぜ米国企業は自社株買いを重視するかというと、株価の上昇や下支えが期待できるからです。
自社株買いを実施すると、市場に出回る株式数が減少するため、利益の絶対額が変わらなければ、EPS(1株当たり利益)やROE(自己資本利益率)などが高まり、企業価値の向上につながります。
また、買付した株数の分だけ、配当金の支払い総額が減少するメリットもあるので、米国では財務戦略の一環として自社株買いを行う企業が多いです。

配当貴族指数とは?

配当貴族指数は、一定期間以上連続して増配を行ってきた優良株を集めて算出した指数です。
長期に渡り毎年配当を増やしている企業を「配当貴族」と呼ぶことから、このように名づけられています。
中でも有名なのは、S&P500指数採用銘柄のうち、過去25年以上連続して増配を行っている大型銘柄で構成される「S&P500配当貴族指数」です。
時価総額が大きい上、増配を長期間続けている米国を代表する優良銘柄が集まった指数といえます。
S&P500配当貴族指数に含まれる主な銘柄は、世界最大の通信会社であるAT&T(T)やIT関連製品・サービス会社のIBM(IBM)、大手石油会社のエクソン・モービル(XOM)とシェブロン(CVX)、化学・電気素材メーカーのスリーエム(MMM)、建設機械大手のキャタピラー(CAT)の他、総合家庭用品メーカーのプロクター・アンド・ギャンブル(PG)、世界的な食品・飲料会社のペプシコ(PEP)などです。

S&P 500配当貴族指数 | S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス (spglobal.com)

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