世界で食料品の元となる穀物価格が高止まりしています。
ロシアによるウクライナ侵攻以降に話題になっていますが、世界的に食料価格が上昇基調を強め始めたのは2020年の半ばの新型コロナウイルス感染症拡大の時期からです。
人の移動が制限されたことで労働力が不足し、それを要因に収穫量が減少していることが要因です。
運搬もできず、これも価格の上昇に拍車をかけた面があるようです。

また、21年は赤道付近で海水温が低下するラニーニャ現象が発生し、これが原因となりブラジルなどで干ばつが発生しています。
地政学リスクや気候変動以外にも世界的な人口の増加傾向により、需要が増加傾向にあります。国連などによると2020年の世界の人口はおよそ78億人ですが、2050年には97億人となり、100億人突破も視野に入ります。
一方、農業に適した土地が少ないことから作付面積は需要の増加ほどには増えず、長期的にも価格の上昇傾向が続く可能性が高いといえます。

農業はどんな時代でも不可欠な産業です。
移動手段は徒歩から馬になり、自動車やバイクなどが誕生しました。馬は移動手段には使われなくなりました。手作業は機械に置き換わります。
ただ、産業革命などが起きても農業が廃れません。食は人間に不可欠なものだからです。
人口増加で農作物はむしろ、不足気味でもあります。

限られた作物面積で効率よく収穫するために、機械の進化や種の改良、適正な農薬使用などが求められるでしょう。
中でも米国は世界有数の農業大国です。
トウモロコシや大豆では世界一の生産量を誇っています。広大な土地を背景に、農業周辺の幅広い分野で産業が形成されていることも特徴といえるでしょう。
そこで今回は、農業関連の米国銘柄をピックアップしてみました。

米国農業関連7銘柄

ディア・アンド・カンパニー(DE)

世界最大の農業機械メーカー。創業者の名前を冠した「ジョン・デイア」のブランド名で知られる。
財務体質の良好さに定評。コンバインやトラクターなど広範囲に強みがある。
建設土木作業や林業向けにフォークリフトにも展開。21年8月には自律走行農業機械のベア・フラッグ・ロボティクス社を買収。
22年初には自動運転トラクターを発表している。

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週足表示、2022年7月19日まで
価格はNYSEBQT参照
出来高は当社取扱開始時より計測

コルテバ(CTVA)

2019年にダウ・デュポンから分離した農業関連企業。トウモロコシ、大豆、小麦などの種子と、除草剤などの農薬に展開。
世界140カ国に拠点がある。アナリストによれば農畜産向けの特許競争力ランキングで世界首位。遺伝子組み換えトウモロコシなども手がける。

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ニュートリエン(NTR)

カナダを本拠とする世界最大の肥料メーカー。肥料の3大要素(窒素、リン酸、カリウム)のすべてを生産している。
カリウム、リン酸鉱山も運営。水酸化カリウムは根の育成を助ける働きがあり、根菜類を栽培するのには不可欠という。窒素は葉や茎を生長させ、リン酸塩は果実を実らせるのに必要な肥料となっている。

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アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)

最大手のカーギル(非上場)に次ぐ規模を誇る穀物メジャー。食品原料の大豆やトウモロコシ、小麦、綿花などに強みを持つ。
原料の調達から加工、流通を世界規模で展開している。バイオ燃料も手掛ける。

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モザイク(MOS)

全米最大の肥料メーカー。リン酸塩と炭酸カリウムに特化。採掘から製品の生産までを一貫して手掛ける。製品は世界40カ国以上で販売されている。

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CFインダストリーズ・ホールディングス(CF)

窒素肥料で世界最大級。リン酸肥料も手掛け、製造し世界に販売している。
このほかでは硝酸アンモニウムやアンモニアにも展開している。

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FMC(FMC)

除草剤や殺虫剤など農業関連が収益柱。除草剤は大豆やトウモロコシ、果物や野菜など広範囲の展開。殺虫剤は作物の害虫を防除するために使われる。
デュポンの作物保護事業の取得で農薬を一段と拡大の方向。

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auカブコム証券の米国株式
和島英樹

和島英樹

経済ジャーナリスト。

日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年ラジオNIKKEIに入社。
東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。
2020年6月に独立。企業トップへの取材は1,000社以上。
ラジオNIKKEI担当番組に「マーケット・プレス」など。
四季報オンライン、週刊エコノミストなどへ寄稿多数。
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)。
日本テクニカルアナリスト協会評議委員。

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