2018年の相場見通し

謹賀新年

2018年の相場見通し

当社投資情報室より、2018年のマーケットついてご案内いたします。 新年のお取引に是非お役立てください。

  • マーケットアナリスト 山田勉
  • 投資ストラテジスト 河合達憲
  • 投資アナリスト 藤井明代

マーケットアナリスト 山田勉

予想レンジ

山田勉

カブドットコム証券 マーケットアナリスト。
準大手証券にてディーラー、マーケットメイカー、マーケットアナリストとして十数年活躍。
2004年5月、カブドットコム証券入社。『こちカブ』(ラジオNIKKEI)『まーけっとNavi』(日テレNEWS24)『マーケットホットライン』(ストックボイス)などに出演。
デフレ脱却と成長経済復帰で「日本を取り戻す」のが悲願。

1.旧年中に26年ぶりの高値

20年デフレで縮こまって来た株価もようやく陽の目を見た感。長い長い「逆張り」の相場が「順張り」の相場に転換したと観る。18年のデフレ脱却を先取りする格好で走り出しており、その継続性はデフレ脱却如何の面もあるのか。

【日経平均月足と日銀短観大製DI】

  • 出所:日銀、QUICKよりカブドットコム証券作成

2.2018年はモラトリアム期間?

幸いにして世界経済の好調で外需が伸びており、時間稼ぎが出来る間に金融政策・財政政策両方を揃え、「もっとふかさないといけない」。脱デフレへ薄日の今こそ、総需要拡大策でデフレ脱却を敢然と果たすべきタイミングながら、実際は「好況の米国が大型減税するのに、デフレ脱却を果たしてない日本が何故、増税なのか?」のチグハグ、20年デフレの緊縮路線をいまだ脱せていない。賃金が上がり、消費が増えて、設備投資が追いかける、そうして、ようやく好循環が回り出す訳だが、政府は如何に歳出を抑えるかに躍起になっているように見える。改元や東京五輪の特需まで、内需牽引の形がとれるのかどうか。春闘賃上げ、3-4月の日銀総裁副総裁人事に先ずは関心、6月の骨太方針と財政再建新計画でPB目標の扱いが変われば、一段の上値余地が出て来る可能性はある。朝鮮半島有事が背中を押すことも。

3.2019年問題、「経済の崖」

年央の新元号発表、9月の自民総裁選、10月は「消費増税まであと1年」、その辺りから「2019年問題」が急浮上する可能性がある。「19年4月残業上限規制、GW10連休か、大阪G20サミット、10月消費税率10%へ、20年1月所得増税(年収850万円超)」「19年は千客万来の年」これに合わせて改元や東京五輪特需も剥げ落ちるとすると、景気はピークアウトどころか「経済の崖」ができかねない。それまでに政策転換が出来ないと相場も酷いことになる可能性がある。

4.利益成長に適った株高

株価が上がると嫉妬筋からはすぐ「バブル」呼ばわりされる訳だが、利益成長がそのまま株高に繋がる整合性が20年デフレの収穫。同じPER15倍でもEPSが1,500→1,650→1,800円と上がって行けば、理論株価は22,500→24,750→27,000円と切り上がっていく道理。4-5月の本決算発表時期(期初はいつも慎重すぎる)、10-11月の中間決算発表時期(慎重な期初予想が上方修正か)に飛躍が生じるかどうか。ジャスダック市場では既にPER20倍超に買っていることから、デフレ脱却の確度が上がったり、世界経済や企業業績の伸びが加速する、或いは信頼が高まるなどリスク許容度が高まれば、15→18→20倍への切り上がりも考えられ、柔軟に対応したいもの。

【日経平均週足とEPS】

  • 出所:QUICKよりカブドットコム証券作成

【日経平均とPER(倍)】

  • 出所:QUICKよりカブドットコム証券作成

5.米経済に減税効果は発現するか

好調な米国経済に選挙公約「大型減税」のクリスマスプレゼントは見事。消費や設備投資が如何ほど伸びるのか、或いはレパトリがどのくらいの規模で起きるのかに関心。法人減税は配当・自社株買いに向かい易く、株価も堅調か。11月の中間選挙へ堅実な政権運営期待。利上げはマイルドに今年並みの3回(3、6、12月)を予想。米10年債金利が2.5-3%くらいに切り上がってくれば、ドル円も115-120円乃至は125円くらいが射程に入る可能性。レパトリによる円安期待があるから期待に添わぬ円高が生じた場合は株価にも急ブレーキがかかる可能性は常にある。北朝鮮絡みの地政学リスクはあまり予想しても仕方が無いと諦めるが、それはかく乱要因であっても本質ではない。中国経済の予想外の不振がリスク。欧州は盟主ドイツのメルケル連立協議が予想外の難航、再選挙で退陣の可能性は高まっている様子。カタルーニャやスコットランドの独立問題も取り沙汰されそう、反移民反EUの民族派が台頭しやすいとなると、ユーロもギクシャクか。それにしても、トランプラリーが始まってからNYダウはほとんどの期間13週線を上回る堅調さ(千ドルどころか700ドル強しか下げず)、1割程度の調整が入っても世界はかなり驚く可能性はあるだろう。

【米金利とドル円相場週足】

  • 出所:QUICKよりカブドットコム証券作成

6.2018年カレンダー

2018年 国内 国外
1月 ソニーaibo発売
8日:金正恩誕生日
9-12日:CES
トランプインフラ投資計画
2月 春闘賃上げ3%?
パウエル新FRB議長就任
9-25日:平昌冬季五輪
16日:金正日誕生日
3月
ゆうパック、アサヒビール値上げ
19日:日銀副総裁2人任期満了
4日:イタリア総選挙
18日:ロシア大統領選
4月
キリン、サッポロ値上げ
ディズニーランド35周年
8日:黒田総裁任期満了
4日:キング牧師暗殺50年
5月 経団連榊原会長任期満了  
6月
15日:民泊法施行
サザンAS 40周年
6/14-7/15:ロシアW杯
7月 年央くらい新元号 メキシコ大統領選
8月    
9月
自民総裁選
16日:安室奈美恵引退
 
10月
全国証取売買単位100株に統一
11日:豊洲市場開場
31日:放送局免許失効、翌日再免許
ブラジル大統領選
11月 4日:眞子内親王殿下、小室氏に降嫁 7日:米議会中間選挙
12月 9日:沖縄県知事選  

※予定は変更となる可能性がございます。

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