第15回 エンベロープ
株式ではよく上昇し続けたり、下落し続けたりすると、「移動平均線から何%離れているのか?」「移動平均線から何%離れると逆の動きになるのか?」ということがいわれたりします(ここ使われる移動平均線は比較的長期のものが多いのですが)。つまり、株価はどんなに移動平均線と離れていても、いずれどこかで接します。永遠に一方向に上昇、下落し続けることが考えにくいからです(倒産などの特殊要因を除く)。
そこで、一体、移動平均線からどれくらい離れたら反転し、移動平均線に向かい始めるのであろうか、ということが問題になるのです。そして、過去の経験則に基づいて観察した場合、移動平均線から一定の割合(乖離率)離れたら、反転の動きになるというものが認められたりするのです。
この移動平均線からの乖離率を利用したのがエンベロープなのです。エンベロープというのはこの移動平均線より任意の乖離率でもって、上下に離して線を記入したものです。
エンベロープ
乖離率は「任意」といいましたが、どれ位の数値にすればよいのかは使用する移動平均線によっても違ってきますし、銘柄によっても全く違ってきます。日足の場合に5日、10日、20日、75日、100日、200日を、週足であれば6週、13週、26週といった移動平均線を使用して、2%、3%、5%、10%などの乖離率をもって線を引いてみるとよいと考えています。
実際に見てみましょう。
日経平均株価の場合には20日の移動平均を使用し、5%、10%乖離させた線を使っています。
auカブコム証券(8703)は25日の移動平均線を使用し、10%、20%の乖離させた線を使用しています。つまり、銘柄とエンベロープがマッチしており、過去からのパターンが今後も続くと考えられるのであれば、2%や5%などといったエンベロープに価格が到達したときには反転するかもしれないと考えられるのと同時に、上値や下値のメドにもなりやすいのです。
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